今日はオラクル創業者ラリー・エリソンの名言 「何もしないことが、一番のリスク」という言葉を考えてみたいと思います。まずは直感的な話として、何かしようとすれば常にリスクが発生する感じがしますよね。
外に出れば交通事故に合うかもしれないし、人とコミュニケーションを取れば傷つけられるかもしれない。
食事をすれば食中毒になるかもしれないし、スポーツをすれば怪我をするかもしれない。
それは別に誤解でもなんでもなくて、事実です。
家で寝ているのが一番安全なんです。
もちろんその家が火事になったり飛行機が堕ちてくるかもしれませんが、外を歩くよりはリスクが低いと言えるでしょう。
ただ何もしないと、お金も稼げないし食べるものもなくなるのでお腹が空いてきて、結局は生きていくことができません。
これがまあ、何もしないリスクなわけですね、直感的には。
投資の領域ではどうでしょうか。
何もしないということは例えば、得たお金を自宅のタンスに現金で持っておくか、せいぜい銀行に預金しておくことを指すでしょう。
為替や株や不動産で投資をするよりは、損をすることがないので良さそうに思えますよね。
でもこれ、実はリスクの高い行動です。
それは物価の変動や為替の変動、景気の変動、社会情勢の変化があるからです。
何もしないと、損をすることがあるということです。
同じように、サラリーマンとしてとにかく仕事を頑張るというポジション、つまり特定の会社に全てのエネルギーを投下するのは、一見合理的な行動に見えるのかもしれませんが、実は危険な行為です。
絶対に潰れない大企業ならそれも良いじゃないか、と思うかも知れませんが、「絶対に潰れない会社」というものはありません。
日本航空やシャープ、東京電力ですらあんな感じになりました。
会社の方が潰れなかったとしても、あなたが会社から必要とされなくなるという「リスク」は存在します。
あなたの「市場価値」を高められる努力であれば、やるべきです。
しかし、外の世界で通用しないような特殊な作業ばかりをやっているのならば、もっと違うスキルも身につけ、努力の「分散投資」をしておくべきです。
投資の世界では、「リスクはリターンの源泉」って言ったりします。
リスクのない国債を買っている限りはリターンもほぼゼロで確定しているわけです。
「どのリスクを取るか」が投資判断なのであり、これは事業や人生についても同じです。
今は、変化の激しい時代です。
テクノロジーは変化し続けます。
個人の寿命は伸びている一方、会社の寿命はむしろ短くなっています。
特定の会社に依存したスキルなら、会社から放り出されたら生きていけませんし、専門性があってもその専門領域がある日突然、環境の変化(例えばAIやロボットなど)によって無価値になる可能性もあります。
そういう環境下で、確実に生き残ることができるのは、「学び続けられる人」だけです。
『種の起源』で有名なチャールズ・ダーウィンが言ったように、
「最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるのでもない。唯一生き残ることが出来るのは、変化できる者である」
なのです。